【続?】図書館の閉館でお困りの方へ代替手段を考えてみた

前回投稿の続き?です。
概ね好評で何よりでした(反応が見たかったのでエゴサしました)。
修正を行いましたので、前回ご覧になった方はぜひご確認ください。
なお、国立国会図書館で継続しているサービスについては、
追加のお知らせが出たようなので、以降はそちらをご覧いただくとよいと思います。
今回は国立国会図書館の閉館で困っている方に限定することはせず、
・前回投稿への反応を見て、追加しておきたいと私が思った情報
・よく使う図書館が閉まって困っている方々に伝えたい情報
という観点で書きます。

 

 

既に絶版になっていて、国立国会図書館くらいしか持っていない本を読みたかったんだよ…という方

国立国会図書館デジタルコレクションを閲覧できる公共図書館大学図書館を探すのがおすすめです。
このへんに詳しい記述があるのですが、ポイントは
「絶版等の理由で入手が困難な資料を全国の公共図書館大学図書館等(当館の承認を受けた図書館に限ります。)の館内で利用できる」という点です。
ざっくりまとめると、
国立国会図書館デジタルコレクションに入っている資料のうち、
検索時に「図書館送信資料」にチェックを入れてヒットする資料(絶版等の理由で入手が困難な資料)は、
国立国会図書館の館内だけでなく、その他の図書館でも閲覧できるということです。

図書館送信サービス参加館というのが、「図書館送信資料」を見れる図書館、ということです。
参加館はここで確認ができます。

 

国立国会図書館デジタルコレクションの資料、面白いけども二次利用していいのかよくわからない…という方

ジャパンサーチ経由で検索することをおすすめします。
検索してみていただくとわかるのですが、資料の詳細画面を開くと
「どうやったらこの資料を使えるの?」という欄があります。
ここで、どういった用途は可、不可であるか確認できるようになっています。

 

国立国会図書館デジタルコレクション、画面がちょっと見にくい…という方

ジャパンサーチ経由で閲覧するとよいかもしれません。
同じ資料を、違うデザインの画面から閲覧できるので、人によっては見やすくなると思います。

また、国立国会図書館デジタルコレクションから、紙にプリントアウトしてしまうのも手です。
資料を表示させている状態で、オレンジ色の「印刷する」ボタンを押すと印刷の画面に進めます。

 

いつも使っている図書館は軒並み閉館だ!打つ手がない!という方

既にいつもの図書館の現在のサービス範囲は確認済み、という前提にはなりますが、
通学先・勤務先周辺の公共図書館のHPを確認してみてください。
各図書館の運営によりますが、通学・通勤等のためその自治体に通っている方にも、サービスを提供している場合があります。
たいてい、各図書館HPの「利用者登録について」的な表現があるページに書いていたりします。

 

いつも図書館で使っている本を読みにいきたいのになあ…という方

いつも使う資料であれば、かなりその方にとって価値ある資料なのだと思います。
個人的意見にはなりますが、ぜひ購入をご検討いただくと、後々の生活が豊かになると思います。
もう本屋に売ってないよ!という方は日本の古本屋で一度検索してみるとよいかもしれません。
また、国立国会図書館サーチ国立国会図書館の資料や公共図書館公文書館、美術館や学術研究機関の資料を一気に検索できる)で検索すると、
右側に「書店等で探す」というリンクが出てきます。
ここから、その資料を販売しているページを探すこともできます。

 

【おまけ】刀剣について調べている方

なぜか反応してくださった方に刀剣好きが多かったので、おまけです。
ジャパンサーチでは刀剣について調べるという検索窓があります。

また、図書館によっては、検索システムにNDCによる検索が可能ですが、そこに「756.6」と入れるとちょっと幸せになれるかもしれません。わかりません。

 

おわりに

出版・報道関係を生業としている方々だけでなく、
同人関係の方々にも影響が大きい出来事であったことが、
Twitterの反応を見ていてわかりました。大変勉強になりました。
みなさんの原稿が無事出来上がりますように…

国立国会図書館臨時休館でお困りの方へ代替手段を考えてみた

 

2020/3/8 追記しました。
2020/3/12 追記しました。

 

国立国会図書館東京本館・国際子ども図書館の臨時閉館に伴い、野生の司書が代替手段を考えてみます。
ざっくりまとめただけなので、細かい説明はリンク先に譲りますが、誰かのお役に立てば幸いです。

なお、下記の説明はある程度インターネット利用への耐性がある方を想定しています。その点を念頭にご覧いただければと思います。

「利用者登録、まだしていないから何もできない…」とお思いの方

インターネット限定登録利用者というものが存在します。本来、利用者登録時に必要な「本人確認書類の確認」を、初来館時まで後回しにしておき、インターネット経由で利用するサービスだけ先に使えるようにする、という利用者登録の仕組みです。NDL-ONLINE経由で、以下のサービスが利用できます。

  • 遠隔複写⇒大体1週間前後で、ご指定の住所にお求めの資料の指定箇所をコピーして送る(詳細1)(詳細2
  • 閲覧予約(申込みのみ※)⇒関西館のみ利用可能サービスなので割愛(詳細
  • 取寄せ閲覧(申込みのみ※)⇒東京本館・国際子ども図書館の資料を関西館に取寄せて閲覧(詳細1)(詳細2⇒(2020/3/8 資料の取寄せは中止したとの告知が出ていたようです。失礼いたしました。)⇒(2020/3/12 誤読でした…。関西館への取寄せは可能と書いていますね。申し訳ありません。)
    ※平時は東西相互に取寄せられるが、現在は関西館への取寄せのみ。
    ※取寄せ不可資料群は(詳細2)で確認できる。不可資料に取寄せ申し込みを入れた場合、謝絶の案内が返ってくる。
  • 複写のための記事掲載箇所調査⇒「この雑誌のどこかの巻号、この図書のどこかの章にこんなのが掲載されているはずなんだけど…」というとき、図書館員が現物を確認し、複写可能なレベルまで掲載箇所を特定し、お知らせするサービス。
    ※うまく使うと便利ですが、ある程度制約もあるので注意(こちら)。

【注意】
インターネット限定登録利用者の方は、初回来館時本人確認書類必須です。

 

「資料で引用されていた典拠の確認をしたいけど来館利用できないし…」とお思いの方

複写のための記事掲載箇所調査というサービスがあります。詳しい説明はリンク先をご覧いただくとして、このサービスの良いところは、入力欄が自由記述であることだと、個人的には思っています。
どういう利点があるかというと、思いつく限り、ヒントになりそうなものは何でも書いていけることです。
「○○という本でこの記事について言及されていた」「○○という方が2002年頃にブログで紹介していた雑誌記事なので、たぶん2002年より前だと思う」「著者の名前は分からないが、過去プロ野球選手をしていて、その後インストラクターに転身したらしい」等々、とりあえず何でも書けます。
司書は適宜ヒントを見出すので、なんでもベタ打ちしちゃっていいと思います。

回答期限の目安は、開館日で5日前後です(上記リンク先参照)。

 

「複写(閲覧)したい部分はもう決まっている(掲載資料や掲載箇所が明らか)のに!」とお思いの方

遠隔複写を使うとよいかもしれません(詳細1)(詳細2)。指定の住所に、コピーした資料を送ってくれます。料金は後払い(コンビニ等で払う)です。開館日で5日程度で発送、というのが到着予定の目安なので、だいたい1週間前後を見込むとよいと思います。

 

「必要な情報の掲載箇所があいまいなので、実物にあたって確認したかったのになあ…」という方

複写のための記事掲載箇所調査というサービスがあります。詳しい説明はリンク先をご覧いただくとして、このサービスの良いところは、入力欄が自由記述であることだと、個人的には思っています。
「たぶん○○○○か、○○○というペンネームで、1986年頃の雑誌Bに記事を出していたと思うんだけど…」「たぶん1994年の3月1日~3日くらいに、ほにゃららといったような内容の事件について新聞に記事が出たと思うんだけど…」「××社社長の○○氏か、その人に近い人物が、Aという専門紙に2001年に連載を持ってたらしいんだけど…」「「「ある?」」」くらいのふわふわしたものでも、うまくいけば司書が適宜ヒントを見出すので、なんでもベタ打ちしちゃっていいと思います。ヒントは多いほど見つかる率があがります(余談ですが、お暇があればぜひレファ協を見てみてください)。なお、一回の調査で調査可能な冊数等の目安は定められていますので、上記リンク先要参照です。

回答期限の目安は、開館日で5日前後です(上記リンク先参照)。

 

「所蔵検索システム(NDL-ONLINE)で検索してもよく分からなかったから、来館してカウンターで質問したかったんだよ…」という方

レファレンス・資料案内を利用できます。お電話窓口です。お電話で対応できること、できないことはリンク先参照です。

 

「明確に知りたいことが定まっていない状態だからこそ、大きな図書館で色々な資料にあたってみたかったんだよ…」という方

関西館は開館しているようですが、さすがに来館は厳しい方のために、電子的な資料群にあたってみる、という方法を提案します。リンク先「デジタル資料」あたりです。また、国会図書館も噛んでいる事業として、ジャパンサーチというのもあります。博物館・美術館等も含めて、電子資料をわさっと検索するイメージです。まだBETAですが、ネタ探しにはおもしろいかもしれません。

 

全ての方に伝えたいこと

 こんな時だからこと、公共図書館(市町村の図書館・都道府県の図書館)、近隣の大学図書館が頼りになるケースも多々あります。「もう閉館(サービス一部休止)してるし…」とお思いの方もいると思いますが、自治体であれば通常通り開館していたり、お問い合わせの電話やメールの窓口は開けてくれていたり、また大学図書館でもOB/OGや地域の方の利用を許容してくれたりする場合があります。一旦HP等を確認してみるとよいかもしれません。

 

 

(おわりに)

以上、不足もありましょうが、取り急ぎべたべたと書きつけました。

断腸の思いで、不本意ながらもサービス縮小・閉館に踏み切る館も多々あることでしょう。きっと、どこも今できる最大限で情報提供を行ってくださるものと、司書の端くれとして信じております。わたくしもそうありたいと願い、明日もお仕事がんばるぞー!